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飲み屋の定番といえば、焼き鳥屋。常日頃から「ちょっと焼き鳥屋で一杯やってから帰るかぁ」なんてセリフをつぶやきつつ寂しく帰っている人も多いはず。いまや年がら年中焼き鳥を食べますが、実は「焼き鳥」は冬の季語だったことをご存じでしょうか?

俳句の季語を集めて分類・整理し、解説や例句を載せた書物、いわゆる「俳句歳時記」に「冬の季語」として「焼鳥」が掲載されているのです。この俳句歳時記は、編者によって掲載される言葉が変化するので、全ての歳時記にとはいきませんが『合本 現代俳句歳時記』(編:角川春樹、角川春樹事務所)や『俳句歳時記』(角川書店)など、いくつかにはちゃんと掲載されています。

実際、歳時記にはその季語を使用した俳句もあり、1987年に紫綬褒章を受章した俳人・森澄雄の「焼鳥や友とし古りぬいくさより」 という句や、大正期を代表する女流俳人のひとり、長谷川かな女の「大靄に焼鳥の串落としけり」という句が紹介されています。

また、歳時記によってはその時代で「焼き鳥」が違うこともわかります。昭和38年に刊行された『現代俳句歳時記.冬・新年』(編:石田波郷、番町書房)には、『冬は野鳥の肉はいちだんと美味である。鶏肉をおもに、雁・鴨・鴫(しぎ)・鶫(つぐみ)・雀など注文に応じて焼いてくれる』と書かれているように、その昔は「鳥」と言っても鶏肉だけではなかったようです。今では一般的ではありませんが、野鳥を普通に食べていた時代だからこそ、「旬」として季語になっていたのかもしれませんね。

忘年会シーズン真っ最中の今日この頃、「焼き鳥屋」に入ることも増えるでしょう。そうした場でこの知識を披露すれば、「この人! ものしり!ステキ!」となるかもしれませんね。

ここで一句! すき焼きに 唐揚げいれちゃう ゼウシくん

[参考]
『合本 現代俳句歳時記』(編:角川春樹、角川春樹事務所)
『俳句歳時記』(角川書店)


2013年12月20日更新

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一年中食べられる焼き鳥、実は「冬の季語」だった?